宵待航海

最新トラックバック
最新コメント
最新記事
プロフィール

konatsumaru

Author:konatsumaru
日々のあれこれや好きなことなど、基本温厚に、時々グレつつ。

月別アーカイブ
カテゴリ
リンク
検索フォーム
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード
スポンサーサイト
--------(--) --:--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
美味しすぎる料理には…。
2010-07-03(Sat) 22:21
『料理人』 ハリー・クレッシング

料理人 (ハヤカワ文庫 NV 11)料理人 (ハヤカワ文庫 NV 11)
(1972/02)
ハリー・クレッシング

商品詳細を見る
 

小さな田舎町コブにある小高い丘の上に、プロミネンス城はそびえ立っていた。この城は町の創設者であるコブ家の初代A・コブが建設して子孫が代々住み着いていたが、今はもう誰も住むものはいない。城の管理は町の有力者でコブ家に連なる一族のヒル家とヴェイル家が共同で行っていた。かつては互いに憎みあっていた両家の不和も今はすっかりなくなり、ヒル家の長男・ハロルドとヴェイル家の長女・ダフネは幼い頃から仲良し。時がくれば結婚するだろうと思われていたが成長するにつれダフネがだんだん肥りだし、家に閉じこもるようになる。これじゃ、ハロルドとダフネの結婚は考えられないと町の人々は噂するようになっていた。
そんな小さな平和な町にある日、異様な男が自転車で現れる。背が高く、死人のように痩せていて、黒ずくめ。飢えた黒い鷲のような容貌の男の名前はコンラッド。彼はヒル家のコックとして雇われる。彼は悪魔的な料理の腕の持ち主であり、その料理を食べれば肥った者は痩せ、痩せた者は肥り、健康になっていく。奇跡の美食にヒル家、ヴェイル家の人間は夢中になる。
コンラッドは両家の人々を意のままに操るようになり、いつしかコブの町をも支配していく…。

恐ろしい程の料理の腕と得体の知れない悪魔的な魅力で人々を支配していくコンラッドの正体は、人間なのか、魔物なのか。

彼がヒル家の人々の信頼を勝ち得、徐々に家族に入り込み、支配していく様を読んでいると、「洗脳」ってこういうこと?と空恐ろしくなります(違うかもしれませんが)。コンラッドは無理やりああしろ、こうしろと指図したりしません。
あくまでそのひとが自分の意思でやっていると思わせるのです。
あなたの欲しいものはコレでしょう?とそのひとの欲望を刺激するものをチラリと見せ、(そりゃもうサブリミナル的チラリさ)自分の目的の方向へ誘導する―。そのひとは自分が操られてるなんて全く思いもしない。全て自分の意思だと思い込んで疑わない。都合の悪い事実から目を背け、無意識のうちに自分に望ましいように捻じ曲げて理解してしまう。

偽物の欲望を本物と思い込まされて、何かに操られ、いつしか自分自身が無くなってしまう…怖いことですが、普通に生きてても大なり小なりそういうことはあるような気がします。
多分コンラッドはそこらじゅうにいて、いつもつけいる隙を窺っているんでしょう。
何かに支配される、操られるっていうのは実はすごく楽なことなのかもしれません。ものを考えなくていいんですから。
でも、その先にあるのはけっして愉快な未来では無いでしょうねー。怖いな…。気をつけよう。

結局、コンラッド自身も何かに支配され、操られているのか…?じゃあコンラッドって何者?とまた謎が深まるラストですが、とにかく一気に読める面白さ。著者紹介によると、作者のハリー・クレッシングというひとも経歴の一切が伏せられた謎の人物で、今もって正体不明らしいです。
スポンサーサイト

<< 全部要るような気がする | Top | かなりどうでもいい話 >>

コメント
コメントの投稿












管理者にだけ表示を許可する

トラックバックURL
http://konatsu117.blog51.fc2.com/tb.php/68-6270cbaa
... この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。