宵待航海

最新トラックバック
最新コメント
最新記事
プロフィール

konatsumaru

Author:konatsumaru
日々のあれこれや好きなことなど、基本温厚に、時々グレつつ。

月別アーカイブ
カテゴリ
リンク
検索フォーム
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード
スポンサーサイト
--------(--) --:--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
覚えていて。決して忘れないで。
2012-07-29(Sun) 19:25
サラの鍵 (新潮クレスト・ブックス)サラの鍵 (新潮クレスト・ブックス)
(2010/05)
タチアナ・ド ロネ

商品詳細を見る


「あなたはパンドラの箱をいじくっているんだ。この世には、その蓋をあけないほうがいい場合もあるからね。真実を知らないほうがいいときもあるんだし」

1942年7月16日、フランス、パリ。フランス警察は13152人のユダヤ人を一斉検挙し、略称ヴェルディヴという屋内競技場に連行する。ユダヤ人たちは劣悪な環境で6日間留め置かれた後、ほぼ全員がアウシュビッツに送られた。(その中には4115人の子ども達も含まれていた)戦後、生還出来たのは約400人ほどにすぎなかった。
当時、パリはナチスの占領下にあったとはいえ、一斉検挙を実行したのは紛れもなくフランス警察だったため、戦後、この事件は国家の汚点としてタブー視される。

この一斉検挙の連行寸前、10歳の姉は弟を納戸に隠し、鍵をかける。ここにいた方が安全だから。姉は弟に約束する。

「あとでもどってきて、出してあげるからね。絶対に」

60年後、現代のパリで暮らすアメリカ人ジャーナリストのジュリアは、このユダヤ人迫害事件を取材していくなか、自分の人生も大きく揺さぶられ、思わぬほうへと変化していく。

弟を助け出したい、その一心で収容所を脱走し、パリを目指す姉。無邪気で子どもらしかった姉が、みるみる大人びていくのが逞しく、悲しい。
そして、彼女に不幸を与えたのが戦争の狂気に飲まれた「人間」の残酷さだとしても、彼女を救い、受け入れ、寄り添ったのもまた善良な心の「人間」なのだ。

「わたし、自分が何も知らなかったことを謝りたいんです。ええ、四十五歳になりながら何も知らなかったことを。」

サラにまつわる真実を知ることで、ジュリアやその家族、サラのゆかりある人も、自分の人生を大きく変えていかざるを得なくなる。何かを失い、そして新しく手に入れて。

自分は変われるとわたしは思った。すべてを過去のものにしてしまえると思った。
でも、わたしにはできない。


ザホール。アル・ティシカハ
覚えていて。決して忘れないで。


ジュリアは、パンドラの箱を開けてしまったのかもしれない。その箱には、国家の恥、家族の秘密、夫婦間の微妙な違和感、消してしまいたい記憶、目をつぶって、知らん顔して見なければ良かったかもしれないものがどっさり入っていたかもしれないけれど、底にはちゃんと希望も入っていたのだ。

赤ちゃんの名前、多分そうだろなと思ってたらその通りだった。ずっと忘れない覚えてるよ、そして幸せにするよって決意ゆえの名づけ。

1995年7月16日に、当時のシラク大統領はこのヴェルディヴの一斉検挙がフランス人警官によって行われ、結果、連行したユダヤ人たちを死に追いやったことを認め、国家として正式に謝罪した。
ザホール。アル・ティシカハ。記憶せよ。決して忘れるな。ヘブライ語で発音して。






スポンサーサイト

<< 読了。 | Top | 読了。 >>

コメント
コメントの投稿












管理者にだけ表示を許可する

トラックバックURL
http://konatsu117.blog51.fc2.com/tb.php/144-8afe75be
... この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。